リハビリテーション部

作業療法

作業療法とは?

P1010154.jpg作業療法の作業とは私たちが毎日朝から晩までしている生活に関わる全ての活動を指します。食べたり、着替えたり身の回りの作業はもちろん、花を育てたり、音楽を聴いたり趣味と言われるような作業。農作業や会社勤めなど経済面を支えるための作業。子どもやお年寄りの世話をしたり、炊事や洗濯など家族を支えるための作業。町会長を務めたり公民館のイベントに参加したり地域を支えるための作業。そういった作業の組み合わせで、その人の一日が、一年が、一生が作られています。
突然のけがや病気によって、あるいは生まれながらに、心身に障がいがあらわれ、当たり前にしていた暮らしに困難が生じる場合があります。作業療法は、再びその人がその人らしく生き生きと輝いて暮らしていけるよう、患者さんと目標を共有し、一緒に必要な作業を選び、実際にその作業を練習したり、道具や環境を整えて、生活に戻る援助を行うリハビリテーションの一分野です。

作業療法士の役割

作業療法士は作業療法を行うリハビリテーションの専門家です。作業療法士は生活に障がいを持つすべての方々を対象とし、作業活動を用いながら、障がいや回復段階に応じて適切な治療を医師の指示のもとに提供していきます。具体的には生活や作業活動を行うために必要な心身の機能の回復練習、生活動作方法の練習、福祉用具や生活環境の検討などです。また、必要に応じてご自宅や新たに生活を送る場所に出向いて、生活方法や環境整備等について相談や指導も行います。
作業療法は、リハビリテーション室内に限らず、トイレや浴室などその活動に必要な場所、職場や学校、趣味を行う場所、屋外などさまざまな場所で行われます。作業療法士はその方にとって大切な作業、大切な生活を対象となる方と共に見つけそれが実現できるよう支援します。

作業療法の内容

〈治療的アクティビティ〉

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作業療法では革細工や籐細工折り紙細工などの活動を治療的に使うことがあります。こういった作業を楽しんで行う事は、単に手先の力をつけるということだけが目的ではありません。身体を起こして座っているのが苦も無く行えたり、完成を楽しみにして積極的になったり、プレゼントする相手のことを考えたり精神面への効果も大きいものがあります。

 

〈心身機能への支援〉

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対象となる方の病気やけがの時期・症状にあわせ、心身の基本的な機能の改善を支援します。目標とした生活に必要な手の機能の獲得、筋力やバランス能力、体力の向上を図ります。脳卒中や頚髄損傷、骨折などで上肢機能に障害があれば、作業活動を取り入れながら機能訓練を行っていきます。

 

〈動作方法の指導〉

着替えや体を洗うなど身の回りの動作、炊事や掃除などの家事動作、買い物や公共交通機関利用など応用動作といった、その人に必要な動作を練習し、自立するための指導を行います。介護を行うご家族に介助方法の指導を行うこともあります。また、病室、トイレ、浴室、調理室など実践の場を想定した環境で繰り返し練習を行い、時には屋外やご自宅、職場や学校など実践の場で、これからの生活をシュミレーションしながら進めることもあります。
 

当センターには自宅を想定した、畳やフローリングの部屋や浴室といった在宅シミュレーション室が備わっています。

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〈道具や環境の提案〉

機能が回復しない場合でも、自助具や福祉用具を利用して自立を目指すリハビリテーションもあります。食事で使う柄の曲がるスプーン、入浴で使うシャワーチェア、車椅子への乗り移りに使うリフとなど、食器から大きな電動の機械まで様々な用具があります。また、ご自宅での生活を考え、段差を解消したり、手すりの取り付けや、家具の配置を変えて歩きやすくするなど、環境についても住宅改修を含めた方法の提案を行います。その場合は、患者さんの身体機能だけでなく、ともに暮らす家族の生活にも配慮した方法を検討し、介護保険サービス利用も選択肢に入れながら相談させて頂きます。

最近注目されている治療法

当センターでは随意運動介助型電気刺激装置(パスシステム)や脳の障害による麻痺に対する治療法としても注目され始めているミラー療法(Mirror Therapy)など新しい技術に日々取りくんでいるので紹介します。

随意運動介助型電気刺激装置(パスシステム)

OT写真⑧.jpg随意運動介助型電気刺激装置(パスシステム)は特殊な電気刺激の装置で、麻痺した筋肉の微弱な活動を電極で感知し、その活動に応じた電気刺激を麻痺した筋肉に与える携帯型刺激装置です。従来の電気刺激装置とは違い、患者さんが自ら麻痺した筋肉を動かそうとした時に電気刺激が起こり筋肉の収縮が増大されます。筋肉を動かそうとしていない時にも弱い電気刺激を出して刺激された神経を通して脳に刺激をいれてくれます。患者さんにこのパスシステムと手首につける装具を一日8時間装着してもらい麻痺の回復に良い結果を残したという報告もされています。

ミラー療法(Mirror Therapy)

OT写真⑨.JPGミラー療法は、腕や脚の切断された方の、あるはずのない切断され失った部分の痛み(「幻肢痛」と呼ばれています)の治療として考案されたものですが、脳の障害による麻痺に対する治療法としても注目され始めています。脳の働きに基づいた治療法の一つとして、今後もさらに発展していくと思われます。当センターでも、よりミラー療法を活用できるように取り組んでいます。