リハビリテーション部

心理療法

心理療法とは?

CP.jpg脳卒中や脳外傷のような病気は、身体的な障害・症状として現れるほかに、物事を記憶したり判断することが難しくなる高次脳機能障害や認知症を生じさせたり、精神的なストレスからうつ病や不安障害を引き起こす場合があります。これらについて適切な検査を用いて評価し、必要に応じて認知訓練やカウンセリングなどの援助を行います。

臨床心理士[CP(Clinical Psychologist)]の役割

心理療法科では、脳血管障害や脳外傷などで入院された患者さんの心理学的アセスメント・認知リハビリテーション・心理援助を行っています。また。認知機能の評価を希望して外来を訪れた患者さんや、物忘れドックを受診された方にも、軽度の認知機能の低下を発見するための検査を実施しております。
入院している患者さんの高次脳機能障害に対する評価や認知リハビリテーションならびに心理面接は、ひとこま20~60分で行われ、それらの述べ実施回数は27年度が2874回、26年度2868回 25年度3545回、24年度3495回、23年度3691回でした。外来の患者さんに対する認知機能の評価や心理面接の延べ人数は、27年度が106名、26年度83名、25年度105名、24年度111回、23年度78名でした。

脳のリハビリ(認知リハ)の例

20120306_病棟リハ2.jpg脳のリハビリって何でしょう?手足のリハビリならわかります。着替えやトイレ動作も大切なリハビリです。少し良くなると、料理や買い物も始まります。装具を作るのも、家に手すりをつけるのも広い意味でのリハビリです。でも少し待ってください。脳卒中は脳の病気、だから、脳にもリハビリが必要なのです。

 

A子さんは、突然、ひどい頭痛と嘔吐が出現し、トイレで倒れているのを家人に発見されました。近くの脳外科病院で、前交通動脈瘤破裂によるクモ膜下出血と診断され、手術が行われました。幸い身体の後遺症は軽くてすみましたが、外見からはわかりづらい、記憶(すぐに忘れる)、実行機能(段取りが悪い)、注意(集中できない)、自発性(依存的)などの認知機能に障害(高次脳機能障害)が残り、日常生活全般に介助が必要になってしまいました。特に記憶障害は、数分前のことも覚えていないほど重度でしたが、このような障害を自ら「気づく」こともできませんでした。
鹿教湯病院に転院され、心理科に認知リハが処方されました。評価を行った結果、多彩な高次脳機能障害は認められるものの、知能が保たれており(認知症はない)、根気強く指導を繰り返すことで、それぞれの症状に対する知的な理解や代償が促進できると考えられました。特に記憶障害については、言語能力が良好に保たれている点に着目し、備忘録を補助手段として定着させる訓練を中心に、認知リハリビテーションを5ヶ月間実施しました。訓練当初は、ほとんど備忘録の記載ができませんでしたが、課題の結果や生活場面における問題をフィードバックして、認識のギャップを指摘して修正するアプローチを続けることで、徐々に記憶障害を代償する記載が可能となりました。この頃には、むしろ積極的にメモを取るようになっており、退院する頃には、入浴以外の日常生活はほぼ自立に至りました。
リハビリ病院の心理士は、この例のような脳の病気によって生じた高次脳機能障害の評価と訓練(認知リハ)、さらには身体や高次脳機能にハンディを負った方の情緒面における症状(抑鬱や不安など)に対する心理的アプローチなどを行っています。

特徴的な取り組み

自動車運転支援について

自動車運転の再開は、多くの患者さんにとってリハビリテーションの最終目標のひとつとなるものです。しかし安全運転には身体機能はもちろん、目には見えない高次脳機能・認知機能も非常に重要であり、再開までには詳しい評価や手続きなど、超えなければならない多くのハードルが存在します。心理科では、センター運転支援委員会の構成員として、他科と協働して当リハビリテーションセンターの運転支援体制を構築・運営すると共に、個別には神経心理学的検査によって高次脳機能障害の観点から自動車運転再開に関わる評価及び支援を行っております。

メンタルヘルスについて

JA長野県グループでは、メンタルヘルス(こころの健康)に不安のあるJA・連合会の職員・家族の方々を対象としたカウンセリングルームを開設しています。心理科では、このカウンセリングルームのうち東北信会場を担当し、相談業務にあたっています。またJA長野県グループ各組織からの依頼に応じ、ストレスマネジメント等に関するメンタルヘルス研修会の講師を派遣しております。