LSVT LOUD®とは
LSVT(Lee Silverman Voice Treatment)の略称で、1989年に米国のRamigらが考案したパーキンソン病を有する方へのリハビリになります。当院では、LSVTの認定資格を取得した理学療法士による身体運動に対する訓練としてLSVT®BIGが提供されています。
LSVT®LOUDとはパーキンソン病を有する方への声の大きさに対する発話訓練をいいます。本法は,訓練の質と効果を保証する目的で商標登録され®マークが訓練に付いています。昨年言語聴覚士によるLSVT®LOUDの認定取得者が2名になったことからLSVT®LOUD(発話訓練)を提供できるようになりました。訓練の特徴・内容を紹介いたします。

対象者
LOUDでターゲットとするのは、「大きな声を出す」ことです。大きな声を出すことで,音量を上げる効果があります。また、呼吸・発声・構音・共鳴器官,脳の働きを活性化させ,発声発語器官全般の機能を高める効果が期待できます。
訓練内容
LOUDは,1回50~60分のセッションを週4日,4週間(計16回)施行します。意識的に努力を要する反復発声練習を集中的に実施します。
1回の訓練では、セッションを前半・後半に分け,前半の30分には毎回同じ内容を繰り返す‘毎日の課題’を,後半30分には1週間ごとに課題の複雑さが増す‘階層的発話課題’を繰り返します。
対象者
- 軽度~中等度のパーキンソン病患者、Yahr3以下であれば有効性が高い
- 1ヵ月以上の入院が可能な方
- 入院中に薬剤調整を必要とされない方
- 1セッション(1時間)を通じて座っていられる方
- 1人で自主練習が可能な方(LOUD実施日は10分×1回、実施しない日は15分×2回の自主練習を要する)
Hoehn & Yahr 重症度分類
0度 | パーキンソンニズムなし |
1度 | 一側性パーキンソニズム |
2度 | 両側性パーキンソニズム |
3度 | 軽~中等度パーキンソニズム 姿勢反射障害あり。日常生活に介助不要。 |
4度 | 高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能 |
5度 | 介助なしにはベッド又は車椅子生活 |
注意点
医師などの判断により、LSVT ® LOUDの対象とならない場合は、通常のリハビリ入院となる可能性があります。また、LSVT ® LOUDの実施期間中でも、ご本人の意志によりLSVT ® LOUDを中断し、通常のリハビリを受けることも可能です。
お問い合わせ
費用通常の保険診療と同様に、保有されている保険証の自己負担割合にて請求させていただきます。詳しくはお問い合わせの際にお聞きください
鹿教湯病院 地域医療医連携課 ℡0268-44-2111(代)