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2024年10月26日(土) 信州大学にて開催された「第20回長野県神経疾患ケア研究会」において当センターから2題の発表がありました。

学会発表情報(第20回長野県神経疾患ケア研究会)

【人工呼吸器管理を行うALS患者に対しLung Insufflation Capacity トレーニングを併用した症例】

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は全身の筋力が低下していく病気で、最終的には人工呼吸器を装着する方もいます。人工呼吸器を装着することで、長期の経過を追うことになりますが、肺や胸は徐々に硬くなると言われています。肺や胸の柔らかさを維持・向上する目的で、当院では“LIC TRAINER2®”という機器を使用してリハビリを実施しています。
 今回長期に渡り人工呼吸器を装着している患者さまに対して、痰を出しやすくする機器(排痰補助装置)と肺や胸を広げ柔軟性を引き出す機器(LIC TRAINER2®)を併用することで、呼吸機能が改善したことを発表させていただきました。
 疾病の長期経過の方は維持することが主目的と考えられていますが、機器の併用により呼吸機能が改善する可能性を示せたことはリハビリの重要性を示すものと考えます。

今回は一人の患者さまだけの研究結果になりますが、今後は、より多くの方を対象にして研究を行い、結果を多くの患者さまに還元していきたいと考えております。

【当センター看護部スタッフの認知症ケアに関する捉え方と学習状況】

 認知症看護領域の教育的支援の充実を図るため看護部スタッフを対象に、認知症ケアに関する認識・学習状況などに関する調査・分析を実施しまし。認知症ケアに対する関心や学習の必要性は多く感じられていましたが、実際の学習機会は少ない状況でした。また認知症ケアに対して困難感を感じているスタッフは多く、特に実践機会の多い病棟で高い結果であり、認知症ケアに対する関心と学習の優先順位は、勤務経験年数10年以上スタッフの認識が有意に高いことが認められました。
 当センターに入院されている患者層や社会背景から、看護部スタッフの認知症ケアに対する関心が高くなっている状況にありましたが、先行研究と同様に「病棟で扱う主な疾患の学習が優先されやすい」傾向があると考えられます。また個々の認知症ケアに対する知識や認識の違い、認知症を有さない方とのケア内容の優先順位や対応の相違も、困難感を大きくしている要因であると示唆され、更に認知症ケアは、より倫理的な判断力も求められることから、実践経験数の多さや指導等も含めた役割の拡大がその必要性を高めていると考えられます。

以上を踏まえて、認知症ケアの教育的支援の充実させるためには、病棟種別や経験年数を考慮しつつ、興味・関心を高められるような学習内容と方法を検討し実践していく必要があります。

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