病院長挨拶

地域に根ざしたコミュニティホスピタル創造のために

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当院は長野県のほぼ中央、上田市の西端に位置する鹿教湯温泉街にあります。その昔、文殊菩薩が鹿に化身して信仰心の厚い猟師に出湯のありかを教えた、という言い伝えが温泉名の由来です。自然豊かな閑静な山間地にあり、環境庁指定の国民保養温泉地の一つです。隣接する松本市にある信州大学病院からも車で30分ほどの立地です。

鹿教湯病院 病院長
吉田邦広
2023年10月鹿教湯病院は新たに生まれ変わります

 当院は1956年に鹿教湯温泉療養所として開設されました。2005年には近隣の三才山病院(1965年に長野県医師会直営の奥鹿教湯温泉病院として開設、1989年に長野県厚生連に移管)と経営統合され、鹿教湯三才山リハビリテーションセンター傘下の2病院としてともに歩んできました。現在、当院では再編成事業が進捗中です。老朽化した西棟、中央棟を取り壊して地上8階建ての新棟の建設が進んでいます。2023年10月には第1期工事が完了し、2病院が完全に統合されます(三才山病院は閉院)。これにより病床数は現在の両病院合計の653床から475床に整理され、医療スタッフの集中化、病院機能の一元化が図られます。新病院のコンセプトは『Medical Hot Spring Town』(医療・福祉と温泉の町)構想です。地域の皆様が病気や事故、あるいは加齢による障害があっても慣れ親しんだ場所で心安らかに暮らせるよう医療・福祉サービスを提供します。また、病院が地域の活性化の拠点として地域コミュニティの維持・発展に貢献して行きたいと思います。

 新病院は一般病棟40床、地域包括ケア病棟41床、回復期リハビリテーション(以下、リハビリ)病棟150床、障害者施設(指定療養介護事業所を含む)195床、医療療養病棟49床から成ります。診療の柱は回復期リハビリです。3病棟合わせて約120名のリハビリスタッフを有し、365日体制で脳卒中や運動器疾患の患者さんの早期の機能回復をお手伝いします。もう一つの柱が地域リハビリです。神経難病や慢性肺疾患など慢性的な障害を有する患者さんの在宅生活への復帰とその維持を目指したリハビリです。在宅復帰後はセンターの他事業所と協働して訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、デイケア・デイサービス事業などを積極的に行っています。さらに新たに心臓大血管リハビリの施設認定基準の取得を目指して準備を進めています。

 急速に進む少子高齢化は地域の過疎化を促進し、地域医療に深刻な影響を及ぼしています。当院を取り巻く環境も厳しさを増していますが、地域の医療・福祉ニーズに応える最後の砦であり続けられるよう職員一同、心を一つにして頑張っていく所存です。

令和5年11月 吉日

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