介護保険法が成立したのは、1997年(平成9年)で、消費税が3%から5 %になった時でした。介護保険法施行が2000年(平成12年)で、そこからが介護保険制度の始まりになります。
一方、老人保健施設の始まりは1987年(昭和62年)の7ヶ所のモデル事業からで、その後1988年(昭和63年)に本格実施されました。当初の法律上の拠り所は老人保健法でしたが、その後、2000年から施行された介護保険法に移ることになりました。
ちなみに、消費税は実施が1989年(平成元年)4月からでした。私は、消費税の導入の目的の1つが、高齢化社会への財源の確保であったと理解していますが、その消費税は、5%から8%になり、今や10%になっています。
老人保健施設は、当初、病院のスケジュールの決まったリハビリとは違った形で、日常の行動全般に訓練・リハビリを組み入れることで改善をもたらし、病院と家庭への中間施設として役割を担っていました。
そして今は、老人保健施設には、入所している方の高齢化に伴って、中間施設としての役割だけでなく、幅広く在宅の支援を行う事が求められるようになってきました。
法律的な事をお示しすると、1999年(平成11年)の省令で老人保健施設の基本方針は在宅復帰施設との定義であったものが、2017年(平成29年)の介護保険法の改正で在宅支援施設という位置づけになり、省令より上の概念である法律で在宅支援が明示されました。
在宅支援には、認知症が悪化して介護が困難になった方や、在宅生活で老衰が進行してきた方、経口摂取が困難になった方などの受け入れなども含まれています。
いずみのの開設が2010年(平成22年)4月のことで、昨年で10周年でしたので、正に上記の老人保健施設の役割の変化を経験してきたことになります。
私は、この4月より、老人保健施設いずみのの施設長として勤務することになりましたが、このような老人保健施設の役割の変遷を念頭に置きながら、地域の方々がお困りの時に、いずみのを頼っていただけるよう、努力をして参りたいと考えております。