脳を磁気刺激し、脳卒中後上肢麻痺(手の麻痺)の改善を促す新しい治療法です
TMS治療(Transcranial Magnetic Stimulation,反復経頭蓋磁気刺激)とは、専用医療機器を駆使し、頭皮上から8の字コイルを当てて磁場を発生させることにより脳を活性化させ、脳卒中で麻痺した上肢(手)の回復を促していく新しい治療法です。
近年,このTMSによる脳の活性化と集中的リハビリを組み合わせた治療法が脳卒中後の上肢麻痺改善に効果があることが報告され、当センターでも2012年8月よりこの治療を開始し2024年7月現在までに480例の患者さんの治療を行いました。多くの患者さんで上肢(手)の動きの改善が認められています。
TMS治療の適応基準
TMS治療は全ての患者さんに行える治療ではありません。
基本的に以下の適応基準を満たしている患者さんが対象となります。
実際に治療が可能か否かは医師が専門外来で患者さんを診察して判断いたします。
- 年齢が16歳以上である
- 脳卒中による上肢麻痺がある
- 麻痺した手の”グー・パー”がある程度できる
- 脳卒中の発症後1年以上経過している
- 脳卒中病巣が片側範囲に限られている
- てんかんの既往がない
- ペースメーカーなどの体内金属がない
- 認知症・うつ病がない
- 日常生活が自立している(歩くことができる)
- 全身状態が良好である
- 妊娠していない
- 透析していない
※適応基準を満たしていても、医師の判断によりTMS治療を見送る場合があります。
TMS治療
TMS治療目的の入院は、通常は約2週間です。TMS目的で入院した場合、入院後は毎日1~2回のTMS治療(1回は通常20分間)を受けていただき、同時に集中的リハビリテーションを行うこととなります(上肢麻痺の場合は、作業療法士との訓練になります)。
TMS治療を希望される方へ
TMS治療を希望される方は、専門外来の予約を取り受診して下さい。外来診療によりTMS治療が可能かどうか判断いたします。
専門外来の予約については、鹿教湯病院内の地域医療連携課にお問い合わせ下さい。
鹿教湯病院 地域医療連携課(代表℡0268-44-2111 内線3131)
TMS治療の費用
TMS治療入院・外来とも医療費に関しては,通常の保険診療と同様に,患者さんが保有される保険証の自己負担割合にて請求させていただきます。