当センターのリハビリテーション

心理療法

心理療法とは?

心理療法疾病は身体的な障害・症状として現れる他、物事を記憶したり判断することが難しくなる高次脳機能障害や認知症を生じたり、精神的なストレスからうつ病や不安障害を引き起こす場合があります。
これらについて適切な検査を用いて評価し、必要に応じて認知訓練やカウンセリングなどの援助を行います。

臨床心理士[CP(Clinical Psychologist)]の役割

脳のリハビリって何でしょう?手足のリハビリならわかります。着替えやトイレ動作も大切なリハビリです。少し良くなると、料理や買い物も始まります。装具を作るのも、家に手すりをつけるのも広い意味でのリハビリです。でも少し待ってください。脳卒中は脳の病気、だから、脳にもリハビリが必要なのです。

脳のリハビリ(認知リハ)の例

A子さんは、突然、ひどい頭痛と嘔吐が出現し、トイレで倒れているのを家人に発見されました。近くの脳外科病院で、前交通動脈瘤破裂によるクモ膜下出血と診断され、手術が行われました。幸い身体の後遺症は軽くてすみましたが、外見からはわかりづらい、記憶(すぐに忘れる)、遂行機能(段取りが悪い)、注意(集中できない)、自発性(依存的)などの認知機能に障害(高次脳機能障害)が残り、日常生活全般に介助が必要になってしまいました。特に記憶障害は、数分前のことも覚えていないほど重度でしたが、このような障害を自ら「気づく」こともできませんでした。

病棟リハ鹿教湯病院に転院され、心理科に認知リハが処方されました。評価を行った結果、多彩な高次脳機能障害は認められるものの、知能が保たれており(認知症はない)、根気強く指導を繰り返すことで、それぞれの症状に対する知的な理解や代償が促進できると考えられました。特に記憶障害については、言語能力が良好に保たれている点に着目し、備忘録を補助手段として定着させる訓練を中心に、濃密な認知リハリビテーションを5ヶ月間実施しました。訓練当初は、ほとんど備忘録の記載ができませんでしたが、課題の結果や生活場面における問題をフィードバックして、認識のギャップを指摘して修正するアプローチを続けることで、徐々に記憶障害を代償する記載が可能となりました。この頃には、むしろ積極的にメモを取るようになっており、退院する頃には、入浴以外の日常生活はほぼ自立に至りました。

リハビリ病院の心理士は、この例のような脳の病気によって生じた高次脳機能障害の評価と訓練(認知リハ)、さらには身体や高次脳機能にハンディを負った方の情緒面における症状(抑鬱や不安など)に対する心理的アプローチなどを行っています。