~医師は多職種協働・連携の要~
2023年10月に鹿教湯病院と三才山病院が統合となり、歯科医師3名を含む常勤医30名体制となりました。
常勤医が標榜する診療科は10にわたりますが(『診療科のご案内』をご覧ください)、高度先端医療を担う大学病院や急性期病院のような診療科間の隔たりはなく、各科がリハビリテーション(リハビリ)という共通の横串しで貫かれています。
リハビリの主な対象疾患は大きく5つに分かれます。①脳神経疾患:脳卒中、パーキンソン病、多系統萎縮症などの神経難病、頭部外傷、脳腫瘍(術後)、などです。②整形外科疾患:大腿骨頚部骨折や脊椎圧迫骨折、腫瘍や外傷による四肢切断(術後)、などです。③呼吸疾患:慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺線維症、などです。④心血管疾患:慢性心不全、陳旧性心筋梗塞、心臓弁膜症、大動脈瘤(術後)、などです。⑤加齢に伴うフレイル・サルコペニア、①~④とも重複しますが、種々の急性疾患後の廃用症候群、ロコモコティブ症候群、などがあります。
診療の肝は合同入診とリハビリ・カンファレンスです。合同入診では入院された患者さんに対して、主治医、担当するリハビリ・スタッフ、看護師、メディカル・ソーシャルワーカー、管理栄養士などが集まり、患者さんの病状や家族構成、家庭環境などの社会的背景を把握します。さらに患者さん、ご家族の要望を踏まえて入院目標を設定し、リハビリの方針などを協議します。入院後は上記多職種による定期的なリハビリ・カンファレンスにおいて、患者さんの医学的な問題、リハビリの進捗状況、退院後の生活支援を含めた今後の方向性、などを議論します。このように多職種が協働・連携して患者さんの治療・療養を支援していく、というのが当院の診療であり、その中心にいるのが診療部医師です。
当院はリハビリ専門病院ですが、一般病床40床を有し、地域の救急医療の一翼もになっています。当センターは複数の訪問看護ステーション、訪問リハビリステーション、居宅介護支援事業所を有しており、普段から地域医療活動を活発に行っています。こうした地域医療活動の下支えをするのが当院であり、結果的に地域の高齢者の救急搬送を数多く受け入れています。より専門的な急性期治療が必要な場合には、信州大学病院、などの近隣の医療機関と緊密に連携しています。入院診療と在宅、あるいは施設療養の橋渡しを調整することも当院に課せられた大きな使命であると考えています。
2023年10月13日
文責:吉田邦広